恋するふたりの文学講座2015年04月22日

Liberal Arts (2012)

表裏一体とはよく言ったもので、好きなものを証明する時、好きではないものと比較してみるとより明らかになることがあります。

人は大方思いこみの世界で生きていて、自分が好きなものは相手も好きだろう(そうあって欲しい)と勝手に思ってしまうもの。だけど、実際は人それぞれ。例え好みが似ていても、感じるところは各々違うわけで、同じものでも経験値を含め、どこから見ているかで大きく変わってきます。その違いを認め合い、分かち合った時、人生が豊かになるのではと思います。

この仮説?にぴったりの映画に出合いました。『恋するふたりの文学講座』
このタイトルだと単なるラブストーリーと勘違いしそうですが、原題は『Liberal Arts』リベラル‐アーツ=人生を豊かにするもの(少々大雑把過ぎますが)こちらの方がしっくりきます。

哲学の枠でくくってしまえそうな作品ですが、堅苦しくなく、様々な世代の人生観をざっくりと覗くことが出来ます。

名セリフもたくさん。 一つだけ挙げると
″人生は全て即興でしょ。台本なしに流れのままに作り上げるもの″
その通りですね^_^; 英語で引用するとこうなります↓
“How everything in life is basically improvised. There’s no script, we’re just making this up as we go.”

余談ですが、この作品は全米で2012年の公開されたもの。日本では劇場スルーされ、最近WOWOW放映されました。こんないい映画をスルーするなんて勿体ない!!
そう思うのは私の主観です^_^;

恋するふたりの文学講座②2015年04月26日

Liberal Arts (2012)

かつて、E.Eカミングの詩が『イン・ハー・シューズ』の中で引用されていることを知ると、以後、様々な映画に使われていることを発見するようになりました。

このところ観る映画はT.Sエリオットがよく出てきます。『ミッドナイト・イン・パリ』で本物(そっくりさん)が出てきましたが、オーウェン・ウィルソン演じるギルがT.S エリオットを敬愛していただけあり、その登場シーンは脳裏に今でも焼き付いています。
最近では『8月の家族たち』『あなたを抱きしめる日まで』どちらも名言が映画を印象つけるキーワードとなっています。

中でも『あなたを抱きしめる日まで』は、息子が幼い頃、無残にひき裂かれてしまった母親が長い時を経てジャーナリストと共に息子を探しに旅にでる実話です。
旅から戻って来た時に使われていたのがこちら↓
“The end of all our exploring will be to arrive where we started and know the place for the first time.” ~探求の最後は初めに戻ること、そしてその場所で始めて気付くこと~
振り出しに戻ってしまうこと? いえいえ、旅を通じて体験し、心を揺り動かされたから分かることだってあるのです。無駄などひとつもないと諭されているようでした。

先日観た『恋するふたりの文学講座』に不思議な存在として登場していたザック・エフロン演じるナット。 “Everything is Okay.” というセリフがあります。上手くいかないこと、思い通りにならないことなど人生でたくさん出くわします。でも、振り返ってみるとそれは全てに繋がっていきます。無駄ではないのですね。ナットの一言は、シンプルなのにとても深いです^_^;